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特集 脂質多様性の生物学と疾患制御
リピドームアトラス構築のための空間リピドミクス解析
Spatial lipidomics to establish the Lipidome Atlas
内野 春希
1
,
有田 誠
1,2,3,4
Haruki UCHINO
1
,
Makoto ARITA
1,2,3,4
1理化学研究所生命医科学研究センターメタボローム研究チーム
2慶應義塾大学薬学部代謝生理化学講座
3慶應義塾大学WPI-Bio2Q
4横浜市立大学大学院生命医科学研究科代謝エピゲノム科学研究室
キーワード:
脂質多様性(リポクオリティ)
,
質量分析イメージング(MSI)
,
空間リピドミクス
,
マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)
,
ノンターゲットリピドミクス
Keyword:
脂質多様性(リポクオリティ)
,
質量分析イメージング(MSI)
,
空間リピドミクス
,
マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)
,
ノンターゲットリピドミクス
pp.803-808
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289110803
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質量分析を用いたノンターゲットリピドミクスの技術革新により,普遍的に存在する脂質分子のみならず,特定の組織に濃縮する特徴的な脂質シグネチャーが数多く見出されてきた.バルク解析から生まれた仮説の検証に加えて,組織・細胞内に潜むリピドームのヘテロ性・多様性を可視化し,着目分子が時空間的に制御されるメカニズムと組織恒常性に果たす機能を解明するには,脂質の空間情報を包括的かつ高確度に捉える基盤技術の構築が必須である.本稿では,マトリックス支援レーザー脱離イオン化法を用いた質量分析イメージング(MALDI-MSI)において,高感度化を実現するtrapped ion mobility spectrometry(TIMS)およびポストイオン化法を組み合わせた空間リピドミクスの概要を示すとともに,その標準化法や一細胞解析への応用性など,脂質の構造多様性および分布・局在を総体として捉えるリピドームアトラスの構築に資する各種の関連技術について紹介する.
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