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第1土曜特集 質量分析イメージング法を用いた創薬・医学研究――時空間マルチオミクスの力
質量分析イメージング法を用いた肝臓の空間マルチオミクス解析
Mass spectrometry imaging for the studies of liver biology and disease pathogenesis
井口 公太
1
,
波多野 悦朗
2
Kohta IGUCHI
1
,
Etsuro HATANO
2
1田附興風会医学研究所北野病院消化器外科
2京都大学医学研究科肝胆膵移植外科
キーワード:
質量分析イメージング法(MSI)
,
肝小葉
,
細胞内と血管内
,
死後変化
,
時空間解析
Keyword:
質量分析イメージング法(MSI)
,
肝小葉
,
細胞内と血管内
,
死後変化
,
時空間解析
pp.669-677
発行日 2023年12月2日
Published Date 2023/12/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28709669
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近年,シングルセル解析やマルチオミクス解析に注目の集まるなか,質量分析イメージング法(MSI)にて肝臓を評価する際,現状では,肝小葉内の肝細胞索に密に入り込む血管構造(liver zonation)により,細胞内と血管内を明確に組み分けることが困難である.時に肝臓組織と血液の両側面からの多階層,時空間解析が必要となる.また,死後変化や虚血性変化を受けやすいアデノシン三リン酸(ATP)のような代謝物を対象としたメタボローム解析には,heat stabilizerが有効である.本稿では,近年の肝疾患を対象としたMSIの実例について紹介し,これまで筆者らの手がけてきたマウス肝切除モデルにおける胆汁酸イメージング,ラット大腸癌肝転移モデルにおける代謝イメージング,ブタ脂肪肝発癌モデルにおけるタンパク質イメージング,ブタ白金製剤投与モデルにおける金属イメージングについてまとめた.
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