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第1土曜特集 質量分析イメージング法を用いた創薬・医学研究――時空間マルチオミクスの力
質量分析イメージング法によるリピドームアトラスの創出
Spatial lipidomics using MALDI-TIMS-MS-imaging to create a lipidome atlas
内野 春希
1
,
有田 誠
1,2,3,4
Haruki UCHINO
1
,
Makoto ARITA
1,2,3,4
1理化学研究所生命医科学研究センターメタボローム研究チーム
2慶應義塾大学薬学部代謝生理化学講座
3慶應義塾大学WPI-Bio2Q
4横浜市立大学大学院生命医科学研究科代謝エピゲノム科学研究室
キーワード:
脂質多様性(リポクオリティ)
,
リピドームアトラス
,
空間リピドミクス
,
ノンターゲットリピドミクス
,
質量分析インフォマティクス
Keyword:
脂質多様性(リポクオリティ)
,
リピドームアトラス
,
空間リピドミクス
,
ノンターゲットリピドミクス
,
質量分析インフォマティクス
pp.640-647
発行日 2023年12月2日
Published Date 2023/12/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28709640
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組織の抽出液を液体クロマトグラフィタンデム質量分析(LC-MS/MS)に供すれば,1検体から数千の化合物ピークが得られ,最新の解析ソフトウェアを利用することで1,000分子種を超える生命の脂質多様性(リポクオリティ)情報が得られる時代となった.リピドミクスの技術革新により,普遍的に存在する脂質分子種に加えて,特定の臓器や細胞に濃縮する特徴的な脂質シグネチャーが数多く見出されてきた.これら生体内の脂質多様性や局在の形成メカニズムを明らかにし,その制御が破綻した際の病態解明を目指すうえで,その代謝・分解酵素や責任細胞の同定が必要である.そのためにも脂質代謝の時空間ダイナミクスを包括的に捉える重要性がこれまで以上に高まっている.
本稿では,マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)を用いた質量分析イメージング(MSI)による空間リピドミクスについて,関連技術であるイオンモビリティースペクトロメトリー(IMS)やポストイオン化(PI)法を含めて概説し,リピドームアトラス構築に向けた取り組みについて紹介する.
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