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第1土曜特集 質量分析イメージング法を用いた創薬・医学研究――時空間マルチオミクスの力
食品因子の腸管吸収の質量分析イメージング法
Visualization of food factors during intestinal absorption
松井 利郎
1
,
田中 充
1
Toshiro MATSUI
1
,
Mitsuru TANAKA
1
1九州大学農学研究院生命機能科学部門
キーワード:
食品因子
,
腸管吸収
,
質量分析イメージング(MSI)
,
ポリフェノール
,
ペプチド
Keyword:
食品因子
,
腸管吸収
,
質量分析イメージング(MSI)
,
ポリフェノール
,
ペプチド
pp.649-654
発行日 2023年12月2日
Published Date 2023/12/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28709649
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食品機能因子をワイドターゲット検出し,可視化解析(イメージング)するための手法として,MALDI-MSI(matrix assisted laser desorption/ionization-mass spectrometry imaging)法は極めて有用である.他方,多くの食品因子は低分子化合物であり,500 Da以下の低分子領域ではノイズシグナルによって検出が阻害されるため,食科学分野での質量分析イメージング(MSI)法の適用は限定的であった.このような制限に対して,キレート剤をマトリックス補助剤として添加するとノイズシグナル数が減少することや切片表面でのマトリックス結晶の均一化が達成できるなど,MSI法の適用範囲が拡大しつつある.また,さまざまな生理機能が報告されている一方で,MS検出感度が低いポリフェノール類に対して,イオン化に最適なマトリックス剤も見出されている.これらにより,生理活性ペプチドやポリフェノール類の小腸吸収過程での透過経路や代謝,分解挙動が可視化解明されており,今後,ますますのMSI法の活用が期待される.
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