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第1土曜特集 質量分析イメージング法を用いた創薬・医学研究――時空間マルチオミクスの力
腎疾患領域の質量分析イメージング
Mass spectrometry imaging in renal diseases
辻 雄大
1
,
齊藤 成
1
,
髙橋 和男
1
Yudai TSUJI
1
,
Sei SAITOH
1
,
Kazuo TAKAHASHI
1
1藤田医科大学医学部解剖学Ⅱ講座
キーワード:
質量分析イメージング(MSI)
,
腎アミロイドーシス
,
膜性腎症
,
IgA腎症
,
レーザーマイクロダイセクション法
Keyword:
質量分析イメージング(MSI)
,
腎アミロイドーシス
,
膜性腎症
,
IgA腎症
,
レーザーマイクロダイセクション法
pp.663-667
発行日 2023年12月2日
Published Date 2023/12/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28709663
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腎疾患領域において質量分析イメージング(MSI)は,糸球体や尿細管レベルの解像度が求められる.またMSIは組織切片を試料することから,ヒトを研究対象とする場合,診断を目的に採取された腎生検ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織を用いることが多いため,タンパク質のMSIを必要とする.近年,これらの問題が徐々に改善され,FFPE組織を用いて糸球体レベルの局在情報を取得することが実現できている.一方で,MSIの原理として一般的に定量性に弱点があるため,定量的な情報を取得することが求められる.免疫組織化学染色法などを駆使することでデータ検証も可能であるが,本稿では,ヒトの糸球体や尿細管において安定した定量情報を得る指標を提示した.現在のところ,疾患の鑑別や治療反応性のマーカー探索を目的としてMSIが利用され,病態の深層的な理解につながりつつある.今後,腎疾患領域でMSIはますます重要なツールになると期待される.
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