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特集 肺癌に対する薬物治療の最前線
高齢進行非小細胞肺癌患者に対する薬物療法と高齢者機能評価
Chemotherapy and geriatric assessments for older patients with advanced non-small cell lung cancer
中島 和寿
1
,
津端 由佳里
1
Kazuhisa NAKASHIMA
1
,
Yukari TSUBATA
1
1島根大学医学部内科学講座呼吸器・臨床腫瘍学
キーワード:
非小細胞肺癌(NSCLC)
,
高齢者機能評価(GA)
,
薬物療法
Keyword:
非小細胞肺癌(NSCLC)
,
高齢者機能評価(GA)
,
薬物療法
pp.523-526
発行日 2023年11月18日
Published Date 2023/11/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28707523
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進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対する薬物療法はめざましく進歩してきている.高齢者においても若年者と同様の薬物療法が選択肢となりうるが,高齢者は身体的,精神心理的,あるいは社会的背景の問題をしばしば抱えており,患者ごとに臨床的多様性に富む.高齢者機能評価(GA)は,高齢者の抱えるさまざまな問題に対して多面的に評価するものであり,高齢癌患者に対して実施が推奨されている.国内大規模クラスターランダム化試験(ENSURE-GA study)においてもGAとそれに基づく介入により,高齢NSCLC患者の満足度向上が示された.GAの実施方法として,まずGeriatric 8やCGA7などのツールでスクリーニングを行い,問題がある項目についてはより詳細な評価を行うという方法を当院でも活用している.わが国の実臨床においてはGAの実施率が低いという現状があるが,高齢癌患者へ適切な治療を提案するため,今後,さらなるGAの普及が望まれる.
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