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特集 肺癌に対する薬物治療の最前線
進展型・再発肺小細胞癌の治療展望と免疫療法の進化
Update treatment strategies of extensive-stage and relapse small-cell lung cancer and evolution of immunotherapy
田村 賢太郎
1
,
後藤 悌
1
Kentaro TAMURA
1
,
Yasushi GOTO
1
1国立がん研究センター中央病院呼吸器内科
キーワード:
肺小細胞癌(SCLC)
,
進展型SCLC
,
再発SCLC
,
化学療法
,
免疫チェックポイント阻害薬
Keyword:
肺小細胞癌(SCLC)
,
進展型SCLC
,
再発SCLC
,
化学療法
,
免疫チェックポイント阻害薬
pp.515-521
発行日 2023年11月18日
Published Date 2023/11/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28707515
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進展型肺小細胞癌(SCLC)の初回治療,再発SCLCの治療は,分子標的治療薬の開発が進まず,従来のプラチナ製剤併用化学療法から長らく進展しなかったが,免疫チェックポイント阻害薬の出現により治療体系が大きく変化した.しかし,SCLCは免疫学的に “Cold” な腫瘍であり,他の癌腫でみられるようなlong tail効果を認めなかった.近年,SCLCにおける4つのサブタイプ(SCLC-A,SCLC-N,SCLC-P,SCLC-I)の存在が明らかとなった.SCLC-Iは免疫療法が効果を示しやすく,免疫学的に “Hot” な集団も一部存在する.また,SCLC-AにみられるようなDLL3を標的にする二重特異性T細胞誘導分子などにより,免疫学的に “Hot” となるように工夫を凝らした薬剤開発が進んでいる.SCLCの治療は継続的な進化を遂げており,PARP,BCL-2などの新たな治療標的が同定され,治療開発が進んでいる一方で,免疫環境を調整するような治療戦略の開発が進んでおり,今後の展望が期待される.
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