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第1土曜特集 リンパ腫――病態研究と診療の最新知見
臨床の話題
高齢者DLBCLに対する治療戦略
-――Geriatric assessmentを用いたフレイル評価を中心に
Treatment strategy of the elderly patients with DLBCL
――Focusing on frailty assessment using the geriatric assessment tools
李 心
1
,
藤田 慧
1
,
鶴見 寿
1
Shin LEE
1
,
Kei FUJITA
1
,
Hisashi TSURUMI
1
1松波総合病院血液・腫瘍内科
キーワード:
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
,
高齢者
,
フレイル
,
高齢者機能評価(GA)
,
Geriatric 8(G8)
Keyword:
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
,
高齢者
,
フレイル
,
高齢者機能評価(GA)
,
Geriatric 8(G8)
pp.705-710
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289090705
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超高齢社会の進展に伴い,わが国のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)における高齢者の割合が今後ますます増加すると予測される.固形がん領域では,高齢者機能評価(GA)が高齢者の評価において有用であることが示されているが,DLBCLに関するエビデンスはいまだアセスメントに重きが置かれているにとどまる.GAを網羅的に行うためには,およそ2時間程度を要する.したがって,多忙な日常診療において高齢者を効果的に評価するためには簡易的なスクリーニングツール〔Geriatric 8(G8),Vulnerable Elderly Survey-13(VES-13),Flemish version of the Triage Risk Screening Tool(fTRST)など〕を使用し,問題があると判断された患者に対してGAを検討するなどの工夫がされている.現在,未解決の問題として,80歳以上の高齢者DLBCLにおける標準治療の至適相対治療強度(RDI)の見極めや,およそ20年ぶりの新規DLBCLに対する一次治療としての有効性を示したポラツズマブ ベドチン併用R-CHOP療法(Pola-R-CHP療法)を,高齢者にどのように導入していくかなどがあげられる.このようなクリニカルクエスチョン(CQ)に答えるべく,高齢者DLBCLを対象としたリアルワールドに根差した研究の構築が待たれる.
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