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English
特集 AKI-to-CKD transition
AKIおよびAKI-to-CKD transitionに対する一酸化炭素デリバリーシステムの有効性
A bioinspired carbon monoxide delivery system prevents acute kidney injury and the progression to chronic kidney disease
前田 仁志
1
,
渡邊 博志
1
,
丸山 徹
1
Hitoshi MAEDA
1
,
Hiroshi WATANABE
1
,
Toru MARUYAMA
1
1熊本大学大学院生命科学研究部薬剤学分野
キーワード:
尿細管細胞障害
,
一酸化炭素
,
赤血球
,
急性腎障害(AKI)
,
AKI-to-CKD transition
Keyword:
尿細管細胞障害
,
一酸化炭素
,
赤血球
,
急性腎障害(AKI)
,
AKI-to-CKD transition
pp.964-977
発行日 2023年9月16日
Published Date 2023/9/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28612964
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腎虚血再灌流障害(IRI)による組織低酸素は,エネルギー代謝障害と酸化ストレスを引き起こし,尿細管細胞障害,ひいては急性腎障害(AKI)や慢性腎臓病(CKD)の原因となる.低酸素誘導因子(HIF)-1α,AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)および核因子-E2関連因子2(Nrf2)は,IRIから尿細管細胞を保護する可能性を秘めている.一酸化炭素(CO)は,ミトコンドリア活性酸素種(mtROS)を惹起し,上述した3分子を包括的に誘導できるが,尿細管細胞でCOがこれら分子を誘導するかどうかについては不明である.本研究では,生体模倣されたCO送達システム,すなわちCO搭載型赤血球(CO-RBC)が上述した3分子を誘導し,IRIから尿細管細胞を保護することでAKIあるいはAKI-to-CKD transitionの両病態が改善することを実証した.したがって,CO-RBCはCKDへの進行を阻止するための有効な細胞療法となる可能性を秘めている.
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