Japanese
English
特集 AKI-to-CKD transition
オートファジーによるAKI-to-CKD transitionに対する治療応用
Therapeutic application of autophagy to AKI-to-CKD
南 聡
1
,
吉森 保
1,2,3
,
中村 修平
1,2,4
Satoshi MINAMI
1
,
Tamotsu YOSHIMORI
1,2,3
,
Shuhei NAKAMURA
1,2,4
1大阪大学大学院医学系研究科遺伝学教室
2同生命機能研究科細胞内膜動態研究室
3同先導的学際研究機構生命医科学融合フロンティア研究部門
4同高等共創研究院
キーワード:
Rubicon
,
リソソーム
,
老化細胞
,
オートファジー
,
AKI-to-CKD
Keyword:
Rubicon
,
リソソーム
,
老化細胞
,
オートファジー
,
AKI-to-CKD
pp.958-963
発行日 2023年9月16日
Published Date 2023/9/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28612958
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
急性腎障害(AKI)は,高率に慢性腎臓病(CKD)に至る予後不良の疾患である.近年,AKI後に蓄積する老化尿細管細胞がAKI-to-CKD transitionの進展に中心的な役割を果たすことが判明した.細胞内分解システムのひとつであるオートファジーは,AKIをはじめとするさまざまな腎病態に対して保護的に働くとともに,個体や細胞の老化を抑制することが知られているが,AKI-to-CKDに対する役割に関しては相反する報告が混在している.これら相反する報告を理解し,オートファジーをAKI-to-CKDに対して臨床応用するためには,老化尿細管細胞におけるオートファジーステータスを明らかにし,その障害段階に応じた分子機構特異的な介入を行う必要がある.近年の研究から,AKI-to-CKD時の老化尿細管細胞ではオートファジー調節不全が生じていること,その主な要因はオートファゴソームの成熟を抑制するRubiconの発現増加ならびにリソソーム機能の低下にあることがわかってきた.そのため,Rubiconの抑制やリソソーム機能を改善するアプローチが,オートファジーを介したAKI-to-CKDに対する治療応用として有望である.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.