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AKI to CKD transition
岸 誠司
1
1川崎医科大学腎臓・高血圧内科学
pp.44-47
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530010044
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はじめに
急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は,腎機能の急激かつ著しい低下を特徴とする重篤な臨床症候群であり,罹患率および死亡率が高い1).高所得国では,AKIは主に院内発症で,高齢で複数の合併症を有する症例が多い.逆に低所得国では市中発症より一般的で,若年者が多く,敗血症,体液量減少,薬剤などが原因となる2).AKIによる死亡は,心不全,糖尿病よりはるかに高く,過去50年間の死亡率は高止まりしている3).これにとどまらず,AKIを起こした患者は短期の障害であっても,さまざまなメカニズムで障害が細胞内に記憶され,慢性腎臓病(chronic kidney syndrome:CKD)を引き起こす(AKI to CKD transition)ことも公衆衛生上大きな問題になっている.
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