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第5土曜特集 マルチオミクスが解き明かす疾患の本質――統合的アプローチによる新たな知見
疾患別マルチオミクス解析の最新動向
【代謝・内分泌】
腎疾患のUpdate
Update of kidney diseases
三村 維真理
1
Imari MIMURA
1
1東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
キーワード:
急性腎障害(AKI)
,
慢性腎臓病(CKD)
,
AKI-to-CKD transition
,
ヒストン
,
クローン性造血
Keyword:
急性腎障害(AKI)
,
慢性腎臓病(CKD)
,
AKI-to-CKD transition
,
ヒストン
,
クローン性造血
pp.840-845
発行日 2025年5月31日
Published Date 2025/5/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293090840
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腎臓の役割は,血液から必要なタンパクや血球成分を体内に残し,老廃物を尿として排泄するだけでなく,血圧の調節,造血ホルモンの産生,カルシウム・リンの調節などを行う.さまざまな原因で腎機能障害が生じるが,ほとんど自覚症状が出ない沈黙の臓器である.脱水,感染症や手術などのストレスによって急激に腎機能が低下するケースや,蛋白尿や血尿をきたす慢性糸球体腎炎,高血圧,糖尿病などの生活習慣病を長年にわたり罹患することでも徐々に機能が低下する.本稿では急性腎障害(AKI),慢性腎臓病(CKD),加齢による腎障害,さらに遺伝性腎疾患を取り上げ,どのようにマルチオミクス解析を通じて腎疾患の病態解明がなされたかを紹介する.さらに,治療につながる可能性のあるマルチオミクス解析の今後の展望について考察する.

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