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連載 救急で出会ったこんな症例――マイナーエマージェンシー対応のススメ・Vol.17
肋骨骨折とこわーい気胸と血胸
Rib fractures and dreaded pneumothorax and hemothorax
二部 悦也
1
,
松村 福広
2
Yoshiya NIBE
1
,
Tomohiro MATSUMURA
2
1自治医科大学整形外科
2自治医科大学救急医学
キーワード:
肋骨骨折
,
血気胸
,
致死的合併症
,
遅発性
Keyword:
肋骨骨折
,
血気胸
,
致死的合併症
,
遅発性
pp.915-919
発行日 2023年9月9日
Published Date 2023/9/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28611915
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◎肋骨骨折は救急現場以外でもよく見かけ,低エネルギー外傷でも起こり得る骨折である.低エネルギー外傷による骨折が多いことから,鎮痛薬処方と外固定を行い,有事再診となるケースが見受けられる.たかが肋骨骨折と思われがちだが,肋骨骨折の合併症に気胸と血胸などのこわーい合併症があることをご存知であろうか? 特に2本以上の肋骨骨折に遭遇した場合,気胸や血胸を合併しやすくなる.そして,受傷当日は無症状であったとしても,遅発性の気胸や血胸を呈する場合がある.したがって,肋骨骨折と診断した場合は有事再診とするのではなく,経過観察のために外来の予約を入れておき,初診時の最後には「呼吸が苦しくなったり,胸が痛くなったりするようなら,かならず病院を受診してください」と一言付け加えておくとよい.気胸や血胸の程度によっては致死的になる可能性があり,見逃してはいけない.
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