発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011186418
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症例1:42歳男。プレス機に体幹を挟まれ受傷し、搬入時は奇異呼吸を呈しており、皮下気腫、左右呼吸音の減弱を認め、画像検査では両側気胸、右肺挫傷、右第2~6肋骨骨折、左第1~5肋骨骨折、右鎖骨近位端骨折、胸骨骨折、気脳症、頭蓋底骨折、右頬骨骨折、左下腿骨骨折を認めた。胸腔ドレーンを挿入し陽圧呼吸管理を開始したが、肺損傷による空気漏洩のため陽圧換気が困難となり、搬入2日後に手術を施行した。胸骨骨折の整復後、右第5肋間開胸で肺尖部部分切除を行い、第4~6肋骨をネメンプレートで固定した。左は第4肋間開胸で肺上葉の部分切除を行い、第3~5肋骨をメネンプレートで固定し、その後左脛骨の髄内釘固定を行った。術後に奇異呼吸は消失し、術後40日に退院した。症例2:58歳男。交通外傷にて受傷し、搬入時には奇異呼吸を認め、画像検査では右第2~3肋骨と左第2~7肋骨の骨折、両側気胸、両側肺挫傷、胸骨骨折、右鎖骨骨折を認めた。気管挿管を行い、胸腔ドレーンを挿入し陽圧呼吸管理を開始したが、空気漏洩のため陽圧換気困難となり、酸素化不良であったため緊急手術を施行した。右鎖骨骨折に対しプレート固定後、左第3~6肋骨をメネンプレートで固定し、更に第5肋軟骨をKirschner鋼線で固定した。術後は徐々に酸素化の改善を認め、術後26日に退院した。
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