発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012175463
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
59歳男。屋根の塗装中に転落し搬送された。左緊張性気胸で胸腔ドレーンを挿入し、直後より血液がドレナージされ、血圧が低下したため気管内挿管を行った。気管からも血液が噴出し、気管内チューブを右主気管支に挿入した。大量輸血と輸液で血圧が維持され、CT撮影で左多発肋骨骨折、左血気胸、左肺・左腎・肝損傷、仙骨骨折が認められた。緊急開胸術を施行し、出血部位は葉間上葉側と下葉横隔膜面の2ヶ所で、下葉切除困難のため縫縮を行った。この時点でアシドーシス、低体温、血小板減少が進行したため閉胸し、人工呼吸管理とした。輸血などにより血小板は回復したが、出血は続いていたため閉胸後約14時間に再開胸を施行した。下葉からの出血持続を認め、上区も血腫で硬くなっており、左肺全摘を施行した。右肺炎併発のため人工呼吸器からの離脱は第10病日となったが、その後の経過良好で第30病日にリハビリテーション目的で転院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012