Japanese
English
特集 新組織学シリーズⅤ:脂肪
Ⅰ.脂肪細胞の基礎
脂肪組織とイメージング
Imaging of adipose tissue
田所 慶誠
1
,
菊田 順一
1,2
,
石井 優
2
Tadokoro Yoshiaki
1
,
Kikuta Junichi
1,2
,
Ishii Masaru
2
1神戸大学大学院医学研究科免疫学
2大阪大学大学院医学系研究科免疫細胞生物学
キーワード:
生体イメージング
,
多光子励起顕微鏡
,
マクロファージ
Keyword:
生体イメージング
,
多光子励起顕微鏡
,
マクロファージ
pp.543-547
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201972
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四半世紀前に世界保健機関(WHO)からメタボリックシンドロームの概念が提唱されて以来,肥満に伴う健康障害,すなわち生活習慣病の増加が深刻な社会問題となっている。高血圧症や糖尿病をはじめとする生活習慣病では,慢性炎症が基盤病態となっており,肥満脂肪組織ではマクロファージをはじめ免疫細胞が多数浸潤している。脂肪組織は長年の間,エネルギーの貯蔵や体温維持,外的刺激の緩和のみを担う間葉系組織と考えられていたが,肥満に伴いアディポカインの産生が亢進していることがわかり,現在では内分泌臓器として様々な分野から注目を集めている。
筆者らは,これまでに生体イメージング技術を駆使して,生きた組織内で繰り広げられる細胞の多彩な生命活動の一部始終を可視化することに成功してきた。特に,全身の慢性炎症における脂肪組織を観察するにあたって,本技術はまさにうってつけである。本稿では,生活習慣病における脂肪組織の役割や慢性炎症との関わりについて,筆者らが行ってきた生体イメージング研究を紹介しながら解説する。
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