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連載講座 生命科学を拓く新しい実験動物モデル-21
透明魚ダニオネラ—生命科学研究の新たな生体イメージングモデル動物
Danionella, an emerging model organism for live imaging research
安藤 康史
1
,
菊地 和
1
Ando Koji
1
,
Kikuchi Kazu
1
1国立循環器病研究センター研究所心臓再生制御部
キーワード:
小型魚類
,
ダニオネラ
,
生体イメージング
,
ゲノム編集
,
遺伝子導入
Keyword:
小型魚類
,
ダニオネラ
,
生体イメージング
,
ゲノム編集
,
遺伝子導入
pp.369-374
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201885
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近年のイメージング技術の発展により,細胞内の重要な反応を生きたままに分子レベルで観察できるようになってきた。しかし,一般的なモデル動物として使用されているマウスでは,皮膚表面に近い部位のイメージングは可能であるものの,体の深部の臓器や組織のイメージングは現在なお困難である。従来,ゼブラフィッシュやメダカなどの小型魚類が生きた個体のイメージング研究に使用されてきたが,組織が透明であるのは稚魚のみであり,成体でのイメージングは難しい。
本稿で取り上げる実験動物モデルは,近年その高い組織透明性から生体イメージング研究における有用性が注目されているダニオネラ(Danionella)である。ダニオネラはウロコがなく皮膚や腹部臓器を覆う膜も完全に透明であるため,ほぼすべての臓器で生きている細胞の機能や病態をオルガネラレベルでイメージングすることが可能な画期的なモデル動物になり得ると期待されている(図1)。
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