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第5土曜特集 生体イメージングの最前線――絶え間ない技術革新と生命医科学の新展開
イメージングで免疫系や生体恒常性を解析する
蛍光イメージングにより明かされるリンパ節の動的細密構造
Fluorescent imaging reveals dynamic microstructure of lymph nodes
片貝 智哉
1
Tomoya KATAKAI
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科 免疫・医動物学分野
キーワード:
間質遊走
,
ストローマ細胞(細網細胞)
,
獲得免疫応答
,
リンパ球
Keyword:
間質遊走
,
ストローマ細胞(細網細胞)
,
獲得免疫応答
,
リンパ球
pp.406-412
発行日 2023年7月29日
Published Date 2023/7/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28605406
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免疫系の拠点であるリンパ節にはリンパ球を中心とした多様な免疫細胞が集積し,活発に移動しながら相互作用を行うことで病原体や外来異物に対する獲得免疫応答を誘導する.リンパ節におけるこのようなダイナミックな免疫細胞の動態と機能は,リンパ管系と血管系が交錯する位置に形成された独特で精緻な組織構造と非血球系ストローマ細胞(細網細胞)により支えられており,二光子顕微鏡を用いた蛍光生体イメージングや高解像の蛍光組織観察によってその実態が明らかになりつつある.リンパ節の傍皮質では,T細胞が組織間質を高速で移動しながら抗原を探索しているが,これを駆動するのはストローマ細胞や樹状細胞が作りだすネットワーク構造と遊走刺激因子などの組織微小環境側の要素である.進歩を続けるリンパ節イメージングであるが,いまだ技術的な課題も多く残されており,さらなる発展にはそれらの克服が必要である.また,さまざまな免疫関連疾患の病態解明に向けて,生体イメージングを活用したリンパ節の変容や機能的役割の解明が待たれる.
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