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特集 手術に役立つ蛍光法のすべて
I. 乳腺・甲状腺
1.乳癌手術における蛍光イメージングの可能性―リンパ節同定を超えて
The potential of fluorescence imaging beyond lymph node identification in breast cancer surgery
松本 純明
1
Y. Matsumoto
1
1京都大学乳腺外科
キーワード:
腫瘍の蛍光イメージング
,
MIPS
,
EPR効果
Keyword:
腫瘍の蛍光イメージング
,
MIPS
,
EPR効果
pp.1215-1221
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka84_1215
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乳癌の手術において,蛍光ガイド下手術はセンチネルリンパ節生検の蛍光法ですでに馴染み深いものとなっている.乳房温存術においては整容性を保ちつつ断端陰性を確保することが求められるが,乳癌腫瘍床の蛍光イメージングはいまだ一般化しておらず,体位が異なる術前の超音波,マンモグラフィ,MRIなどの画像情報を術者の頭の中で再構築し,麻酔導入後の超音波で最終確認するという流れが多い.さらなる切除範囲の最適化には,リアルタイムで腫瘍範囲が描出された状態で切除をすすめられるという方法が求められよう.術中蛍光イメージングはその可能性を秘めており,適切な蛍光色素の投与タイミングや専用カメラ,解析方法などが検討されている.乳癌はheterogeneityが高く,腫瘍血管との関連を考慮した蛍光イメージングの手法や解析法を開発していくことが課題である.
© Nankodo Co., Ltd., 2022