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第1土曜特集 ARDSの治療戦略――個別化診療への道筋
診断と鑑別
ARDSの診断をどう進めるか
How to diagnose ARDS
岡森 慧
1
Satoshi OKAMORI
1
1済生会宇都宮病院呼吸器内科
キーワード:
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
,
診断
,
ベルリン定義
,
びまん性肺疾患
,
気管支肺胞洗浄
Keyword:
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
,
診断
,
ベルリン定義
,
びまん性肺疾患
,
気管支肺胞洗浄
pp.30-35
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2860130
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急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の診断はベルリン定義によってなされる.発症時期,胸部画像,肺水腫の原因,酸素化によって判定されるが,実際には判断が難しいことも少なくない.ARDSの診断には,大きく2つのステップがある.まずは呼吸不全患者をARDSと診断するステップであるが,ここでは心不全や水分過剰による静水圧性肺水腫を除外する必要がある.ARDSと診断した後には,根本治療を行うためにARDSをきたした原因を同定しなければならない.その過程では,間質性肺炎などのびまん性肺疾患の鑑別や気管支鏡検査を検討しなければならないこともある.いずれも診断のアルゴリズムは確立しておらず,各臨床医の判断に委ねられている.集中治療医,救急科医,呼吸器科医をはじめとした複数診療科の協議で診断を進めることが望ましいと考える.
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