特集 内科医に知ってもらいたい シン・腎臓診療
[Chapter 6] 内科医に知ってもらいたい! 腎臓内科の最先端
iPS細胞を用いた腎疾患治療の可能性
前 伸一
1
1京都大学iPS細胞研究所増殖分化機構研究部門
キーワード:
人工多能性幹(iPS)細胞
,
オルガノイド
,
再生医療
,
iPS創薬
Keyword:
人工多能性幹(iPS)細胞
,
オルガノイド
,
再生医療
,
iPS創薬
pp.134-138
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_134
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★★★人工多能性幹(iPS)細胞を用いた腎臓の再生や修復技術の開発が進んでおり,腎移植のドナー不足や拒絶反応を解決する新たな治療法が期待されている.患者自身のiPS細胞から腎臓を再生することで,免疫抑制薬の使用減少も可能となる.
★腎臓オルガノイド作製の技術が進展し,マウスにおいてネフロンと集合管の相互作用を再現したアセンブロイドが作製され,腎臓の高次構造と機能を模倣することが可能となっている.この技術を発展させ,腎臓を丸ごと再生する技術の開発が望まれる.
★iPS細胞を用いて病態モデルを再現し,薬剤スクリーニングによって,常染色体優性多発性囊胞腎(ADPKD)に対する新規の治療薬候補としてレチノイン酸受容体(RAR)作動薬が同定された.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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