Japanese
English
第5土曜特集 mRNAワクチンやゲノム編集で注目が集まる遺伝子治療
遺伝子導入技術
ゲノム編集技術の応用
Applications of genome editing technology
石田 紗恵子
1
,
真下 知士
1
Saeko ISHIDA
1
,
Tomoji MASHIMO
1
1東京大学医科学研究所実験動物研究施設先進動物ゲノム研究分野
キーワード:
CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeat)
,
CRISPR診断(CRISPR-dx)
,
ex vivoゲノム編集
,
in vivoゲノム編集
Keyword:
CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeat)
,
CRISPR診断(CRISPR-dx)
,
ex vivoゲノム編集
,
in vivoゲノム編集
pp.328-333
発行日 2023年4月29日
Published Date 2023/4/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28505328
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DNAの塩基配列を編集するゲノム編集技術は,CRISPR-Cas9(clustered regularly interspaced short palindromic repeat-CRISPR-associated protein 9)システムの発見により,さまざまな分野で利用されるようになった.新たなCRISPR familyの同定やその機能解析は,特定の遺伝子のノックアウトやノックイン,RNAノックダウン,DNA二本鎖切断(DBS)によらない一塩基編集(base editing),プライム編集(prime editing),遺伝子発現操作などの技術開発につながった.医療現場ではCRISPR-Casシステムを利用した診断法が実用化されるなど,ゲノム編集技術の応用がすでにはじまっている.ゲノム編集を用いた遺伝子治療は遺伝性疾患の根本的な治療になると期待されるが,編集効率と安全性に問題があった.しかし技術開発が進み,近年,さまざまな臨床試験で有効性が確認されている.ゲノム編集技術の医療へのさらなる貢献が期待される.
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