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第5土曜特集 mRNAワクチンやゲノム編集で注目が集まる遺伝子治療
遺伝子導入技術
ハイブリッド型ベクターシステム(HVJ-E)の開発
Development of a hybrid vector system(HVJ-E)
中島 俊洋
1
Toshihiro NAKAJIMA
1
1イムノメディスン株式会社
キーワード:
非ウイルスベクター
,
遺伝子医薬
,
核酸医薬
,
癌免疫療法
,
感染症免疫療法
Keyword:
非ウイルスベクター
,
遺伝子医薬
,
核酸医薬
,
癌免疫療法
,
感染症免疫療法
pp.334-339
発行日 2023年4月29日
Published Date 2023/4/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28505334
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プラスミドやデコイ核酸などのDNAや,低分子干渉RNA(siRNA),メッセンジャーRNA(mRNA)などのRNAは高分子であるため,標的組織・細胞内に効率よく導入するには “ベクター” とよばれるデリバリーシステムが必要である.HVJ-envelope(HVJ-E)は,ウイルスが持つ膜融合というメカニズムを利用することで,まるで注射するようなイメージでDNAやRNAを標的細胞に導入できる.これは標的細胞の食作用を利用した受動的な取り込みではなく,ベクター自体の膜融合を利用した能動的な注入であるため,より高効率の導入を期待できる.また,ウイルスの膜融合メカニズムを利用しながらも,DNAやRNAの導入にウイルスゲノムを利用しない非ウイルス性のハイブリッド型ベクターの位置づけとなる.初期段階では遺伝子や核酸導入用の試薬として開発をはじめ,現在,癌や感染症に対する治療薬としての治験段階まで開発を進めており,新規遺伝子核酸治療用ベクターとして注目されている.
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