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第1土曜特集 ゲノム編集医療――最先端ツールからモデル,創薬,遺伝子治療へ
安全性評価や倫理的課題
ゲノム編集技術とその医療応用の特許動向
-――拡大を続ける海外アカデミアによる特許支配と国産技術の利用
Patent trends in genome-editing and its medical application
橋本 一憲
1
Kazunori HASHIMOTO
1
1セントクレスト国際特許事務所
キーワード:
基本特許
,
実施権
,
特許紛争
,
インターフェアレンス
,
CRISPR-Cas9
,
CRISPR-Cas3
Keyword:
基本特許
,
実施権
,
特許紛争
,
インターフェアレンス
,
CRISPR-Cas9
,
CRISPR-Cas3
pp.458-464
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292050458
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近年,画期的なゲノム編集技術が次々と開発されてきたが,それらの基本特許は海外アカデミアを中心に取得され,いまや世界を覆っている.代表的なゲノム編集技術であり,クラス2のⅡ型に属するCRISPR-Cas9は,2020年にノーベル賞の受賞という栄冠に輝いたが,その陰では,長年にわたるアカデミア同士の特許紛争がいまなお継続している.その一方で,医療分野を中心に複数の企業が多額の投資と引き換えに基本特許の実施権を取得してビジネスを加速させ,米国および欧州では,異常ヘモグロビン症を対象としたCRISPR-Cas9治療が規制当局による承認に至っている.海外アカデミアを中心としたゲノム編集特許による支配は,CRISPR-Cas9にとどまらず,クラス2のⅤ型CRISPR-Casにも及び,さらにはクラス1のCRISPR-Casにも手を伸ばしはじめた.本稿では,ゲノム編集技術とその医療応用に関する特許の全体像を示すとともに,海外アカデミアを中心とした基本特許による支配の状況を説明し,国産ゲノム編集技術の開発と設立されたベンチャー企業による医療応用に向けた試みに言及する.
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