Japanese
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特集 神経眼科の最前線
対光反射とメラノプシン
Pupil light response and melanopsin
浅川 賢
1
Ken ASAKAWA
1
1北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科視覚機能療法学専攻
キーワード:
対光反射
,
視細胞
,
メラノプシン含有網膜神経節細胞
,
波長光
Keyword:
対光反射
,
視細胞
,
メラノプシン含有網膜神経節細胞
,
波長光
pp.815-818
発行日 2023年3月11日
Published Date 2023/3/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28410815
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光は網膜の視細胞である錐体・杆体にて受容される.錐体はオプシンにより波長感受性が変化することで,S・M・L錐体が短・中・長波長光を受容し,杆体はロドプシンによって短波長光に感受性を有する.これらの特性によって,広範囲の光環境に適応でき,形や色,明暗を知覚する.また,視細胞は対光反射の起源でもある.しかし,メラノプシン含有網膜神経節細胞(melanopsin-containing retinal ganglion cell:mRGC)の発見により光受容の定説が覆った.mRGCは短波長光に対して選択的に活性化するが,サーカディアンリズムの位相や一種の対光反射(縮瞳の持続相)などの役割を担う.光応答は錐体が迅速に過分極するのに対し,mRGCは緩徐で脱分極する.光感度も杆体より低いため,高輝度の光刺激を必要とする.さらには細胞の分布・数もそれぞれで異なる.これらの特性を踏まえると,対光反射の測定は波長光のみならず,光刺激の時間・強度・部位を変えることで,細胞の特性・障害を非侵襲かつ簡便に評価できる.
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