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第1土曜特集 HIVの発見から40年――医学はどう戦ったか,これからどう戦うのか
HIV/AIDSとその治療の新展開
臨床開発のパイプラインにある新規化合物
Novel anti-HIV-1 agents in development
青木 学
1
,
中田 浩智
2
Manabu AOKI
1
,
Hirotomo NAKATA
2
1熊本保健科学大学保健科学部医学検査学科
2熊本大学病院血液・膠原病・感染症内科
キーワード:
抗ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)薬
,
抗レトロウイルス療法(ART)
,
長時間作用型薬剤
,
曝露前予防投与(PrEP)
Keyword:
抗ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)薬
,
抗レトロウイルス療法(ART)
,
長時間作用型薬剤
,
曝露前予防投与(PrEP)
pp.719-725
発行日 2023年3月4日
Published Date 2023/3/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28409719
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抗ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)活性がより強力で毒性が軽微な薬剤が次々に開発され,それらを種々に組み合わせた抗レトロウイルス療法(ART)によりHIV-1感染症はコントロール可能な慢性感染症となった.現在,服薬レジメンは1日1錠のSTR(single tablet regimen)が主流となってきており,この簡便な治療は患者に多くの福音をもたらしている.さらに薬剤開発は長時間作用型が大きなトレンドとなっており,2021年1月,その先がけとなる月1回の注射薬Cabenuva®(インテグラーゼ阻害薬のカボテグラビルと非核酸系逆転写酵素阻害薬のリルピビリンの合剤)が,2022年12月には年2回投与で治療が可能であるSunlenca®(カプシド阻害薬レナカパビル)が米国食品医薬品局(FDA)により認可された.また,長時間作用型薬剤による曝露前予防投与(PrEP)の臨床試験も同時並行的に進行している.一方,レナカパビルのように既存のクラスとは異なる作用機序を有する薬剤の開発も進行しており,薬剤耐性,特に多剤耐性HIV-1に対する治療にも大きな期待が寄せられている.
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