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第1土曜特集 HIVの発見から40年――医学はどう戦ったか,これからどう戦うのか
HIV/AIDSとその治療の新展開
女性・妊婦・小児・高齢者のHIV/AIDS診療
Management of HIV/AIDS in women, pregnant women, children, and aging people
南 留美
1
Rumi MINAMI
1
1国立病院機構九州医療センターAIDS/HIV総合治療センター
キーワード:
女性
,
妊娠
,
小児
,
高齢者
Keyword:
女性
,
妊娠
,
小児
,
高齢者
pp.694-700
発行日 2023年3月4日
Published Date 2023/3/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28409694
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現在,わが国においてHIVとともに生きる人々(PLWH)は成人男性が大多数を占めており,女性,妊婦,小児は少数である.女性の場合,婦人科系疾患や更年期への対応,妊娠中の感染症の評価や抗HIV薬の選択に加え,精神面のケアも重要である.小児の場合,成長・発達に応じて抗HIV(ヒト免疫不全ウイルス)薬の開始時期や治療薬の選択を行う.また学校生活,病名告知,アドヒアランスの問題など,本人だけでなく家族や社会も含めた対応が必要である.治療の進歩によるHIV感染症の予後改善に伴い,高齢のPLWHが増加している.高齢PLWHでは併存疾患の増加,ポリファーマシー,フレイル・老年症候群に留意が必要である.また,受け入れ可能な介護施設が限られているという課題もある.上述のように,女性・妊婦・小児・高齢者はそれぞれ成人男性とは異なる生理的・社会的背景を持っている.HIV/AIDS(後天性免疫不全症候群)診療を行う際には,それぞれの特性を理解し個別に対応していく必要がある.そのためには多方面からさまざまな立場で多職種が関わっていくことが望ましい.
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