Japanese
English
第1土曜特集 HIVの発見から40年――医学はどう戦ったか,これからどう戦うのか
HIV/AIDSと市民社会
HIV/AIDSへの対応
-――世界の現況
The HIV/AIDS response
――World status
青木 宏美
1
,
満屋 裕明
2
Hiromi AOKI
1
,
Hiroaki MITSUYA
2
1熊本大学病院血液内科・膠原病内科・感染免疫診療部
2国立国際医療研究センター研究所
キーワード:
開発途上国
,
抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)療法
,
90-90-90ターゲット
,
95-95-95ターゲット
,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック
,
ウクライナ侵攻
Keyword:
開発途上国
,
抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)療法
,
90-90-90ターゲット
,
95-95-95ターゲット
,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック
,
ウクライナ侵攻
pp.754-760
発行日 2023年3月4日
Published Date 2023/3/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28409754
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後天性免疫不全症候群(AIDS)の病原ウイルスであるヒト免疫不全ウイルス(HIV)が発見されて40年が経過したが,全世界のHIV感染者数は現在3,840万人に及ぶ.長足の進歩を遂げた化学療法によって,かつて “死の病” とされたHIV感染症は,先進工業国においては “コントロール可能な慢性感染症” と定義しえるほどとなった.また,発展途上国への治療・予防へのアクセスが拡大され,年間新規感染者数は2000年では290万人だったのに対し,それ以降,新規感染者数は激減し,2020年にはおよそ半分の150万人になった.しかし,2020年に起こった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック以降,その減少は著しい鈍化がみられ,2021年の新規感染者数は,前年度と同じく150万人であった.新規感染者の77%がアフリカ地域に集中し,中東や北アフリカ,東欧,中央アジアなどでは抗HIV療法へアクセスできている感染者が50%くらいでしかないことを考えると,HIV感染症の拡大動向への注視と感染者への対応の強化が今更ながら強く求められる.
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