今月の主題 臨床医のための免疫学
免疫と臨床
HIVウイルスとAIDSの発症
森 茂久
1
1国立がんセンター研究所・ウイルス部
pp.484-487
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900124
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1981年にAIDS(後天性免疫不全症候群)の症例が初めて報告され,1983年から1984年にかけて3グループがウイルスを分離し,それぞれLAV,HTLV-III,ARVと命名したが,まもなく同一であることがわかり,1986年にはAIDSの原因ウイルス統一名としてhuman immunodeficiency virus(HIV)が採択されるようになった.同年従来のHIVとは異なるタイプのレトロウイルスが発見され,以後従来のHIVはHIV-1とし,新たな分離株はHIV-2と呼ぶこととなった.HIV-1,-2は,レトロウイルス科のレンチウイルス(lenti=遅い)亜科に属する.HIV-2の病原性は,HIV-1よりも弱く,AIDS発症までの潜伏期間は長いと考えられている.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.