特集 ヘリコバクター・ピロリ診療update
6.H. pylori薬剤耐性の現状 ―JANISデータを含めて
柴山 恵吾
1
1名古屋大学大学院医学系研究科・分子病原細菌学
キーワード:
薬剤耐性
,
サーベイランス
,
JANIS
,
感染症法
Keyword:
薬剤耐性
,
サーベイランス
,
JANIS
,
感染症法
pp.1249-1253
発行日 2025年8月20日
Published Date 2025/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003618
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日本ではHelicobacter pylori(H. pylori)の除菌治療が普及しているが,一方で薬剤耐性菌が増加している.日本ヘリコバクター学会が2018~2020年に実施した全国サーベイランスでは,クラリスロマイシン耐性は35.5%,アモキシシリン耐性は2.7%,メトロニダゾール耐性は4.2%だった.厚生労働省院内感染対策サーベイランス(JANIS)のデータベースの解析でも同様の結果が得られた.今後JANISは日本ヘリコバクター学会のサーベイランスを補完する役割を果たせる可能性がある.また,H. pylori感染を感染症法の5類感染症に位置づけて薬剤耐性を把握する提案もされている.H. pyloriの薬剤耐性サーベイランスのあり方については,現在さまざまな面から検討が行われている.

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