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第1土曜特集 疾病予防・健康寿命延伸に資する栄養・食生活とは?
疾患発症予防に関わる栄養・食生活
日本人成人の栄養と骨粗鬆症・骨折予防に関するエビデンス
Evidence on nutrition and the prevention of osteoporosis/fracture in the Japanese population
中村 和利
1
Kazutoshi NAKAMURA
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科環境予防医学分野
キーワード:
骨粗鬆症
,
骨折
,
カルシウム
,
ビタミンD
,
ビタミンK
Keyword:
骨粗鬆症
,
骨折
,
カルシウム
,
ビタミンD
,
ビタミンK
pp.45-50
発行日 2023年1月7日
Published Date 2023/1/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2840145
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骨粗鬆症は,骨量の低下と骨組織の微細構造の劣化を特徴とした全身疾患である.骨粗鬆症発症に関わる栄養素でよく知られたものはカルシウムとビタミンDであり,またビタミンKやイソフラボンなどの栄養素も注目されている.本稿では,骨の健康に重要な役割を果たすカルシウムとビタミンDを中心に,日本人中高年者における栄養摂取と骨粗鬆症性骨折のエビデンスについて筆者らの研究結果を交えて概説する.カルシウムについてはその低摂取を改善することで,特に女性において脊椎圧迫骨折の罹患率減少が期待できる.ビタミンDに関しては,その欠乏状態が骨折リスクの増加に関連することが示唆されており,骨折予防の観点でビタミンD欠乏症の定義を明確にすることが求められる.ビタミンKについてもその低摂取による骨折リスクの増加が示唆されている.その他の栄養素と骨折との関連についてはエビデンスが不足しており,今後の研究が待たれる.
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