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第1土曜特集 疾病予防・健康寿命延伸に資する栄養・食生活とは?
疾患発症予防に関わる栄養・食生活
食生活習慣とうつ病リスク
Dietary habits and risk of depressive disorder
功刀 浩
1
Hiroshi KUNUGI
1
1帝京大学医学部精神神経科学講座
キーワード:
うつ病
,
予防
,
栄養
,
食事
,
リスク
Keyword:
うつ病
,
予防
,
栄養
,
食事
,
リスク
pp.33-38
発行日 2023年1月7日
Published Date 2023/1/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2840133
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うつ病のリスクと関連する食生活習慣に関する疫学的研究について,複数の研究のメタアナリシスによって得られた知見を中心に概観した.肥満,糖尿病,メタボリック症候群などのカロリー過剰摂取と関連する病態は,うつ病と双方向性にリスクを高め合う.近年の食の欧米化やジャンクフードの消費はリスクを高め,地中海式食事や健康日本食はリスクを下げる.n-3系多価不飽和脂肪酸,必須アミノ酸,ビタミン(特に葉酸やビタミンD),ミネラル(鉄,亜鉛,マグネシウム)などの摂取不足はうつ病リスクを高める.アルコールは適量ではリスクを下げるが,依存症になるとリスクを上げる.コーヒー,紅茶,緑茶などの摂取が多いとリスクは低下するが,甘味料の多い清涼飲料などはリスクを高める.腸内環境を整えるプロバイオティクス(有用菌)はリスクを下げるが,食物アレルギーはリスクを高める.以上のように,健康的な食生活習慣はうつ病リスクを下げるエビデンスが蓄積されている.本稿ではそのメカニズムについても簡単に触れた.
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