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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
慢性炎症・多臓器連関・メカニカルストレスから捉える循環器疾患
心腎連関の実体は何か?
What is the substance of the cardio-renal connection?
尾上 健児
1
Kenji ONOUE
1
1奈良県立医科大学循環器内科
キーワード:
心腎症候群(CRS)
,
急性心不全
,
慢性心不全
,
急性腎障害(AKI)
,
慢性腎臓病(CKD)
Keyword:
心腎症候群(CRS)
,
急性心不全
,
慢性心不全
,
急性腎障害(AKI)
,
慢性腎臓病(CKD)
pp.1278-1285
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141278
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循環器病対策を考えるうえで,腎臓病にいかに対応するかは重要課題のひとつである.なぜなら,心臓と腎臓には密接な関係性が知られているからである.たとえば,うっ血性心不全患者の40~60%程度に腎機能障害が合併し1),急性心不全患者の24~45%に急性腎障害(AKI)が併発する2).また,慢性腎臓病(CKD)患者の約半数は心血管病で亡くなる3).これら心血管病と腎臓病を併発すると,その予後はさらに悪化する.一方で,近年報告されているSGLT2阻害薬のように,心血管疾患や心不全予後の改善と腎予後改善は並行して認められる4-7).以上のような心臓と腎臓の密接な関係性・相互作用は,心腎連関あるいは心腎症候群(CRS)とよばれている.本稿では,これら心臓-腎臓間の相互作用,すなわちCRSの分子機序について概説する.
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