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特集 造血器腫瘍の遺伝子パネル検査の臨床的意義――診断精度向上,予後層別化,個別化治療への応用
【総論】
造血器腫瘍遺伝子パネル検査の臨床的意義
Gene panel testing in hematologic malignancies:clinical significance and applications
前田 高宏
1
Takahiro MAEDA
1
1九州大学大学院医学研究院プレシジョン医療学
キーワード:
遺伝子パネル検査
,
プレシジョン医療
,
ヘムサイト®
Keyword:
遺伝子パネル検査
,
プレシジョン医療
,
ヘムサイト®
pp.1117-1121
発行日 2025年6月21日
Published Date 2025/6/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293121117
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2001年にヒトの全ゲノムが解読されて以来,近年ゲノムプロファイルに基づいた医療が急速に進んでいる.がん診療の分野においても,がんの発症や治療反応性に関連した数百の遺伝子を網羅的に解析する検査,いわゆる “遺伝子パネル検査”(以下,パネル検査)が開発され,わが国では,2019年に固形がんを対象にしたパネル検査が保険適用となった.造血器腫瘍臨床においても,2025年3月に造血器腫瘍に特化したパネル検査(ヘムサイト®)が保険適用となり,いよいよゲノムプロファイルを基盤としたプレシジョン医療が可能となる.固形がんに対するパネル検査は薬剤の適応決定が目的であるのに対し,造血器腫瘍では薬剤選択に加えて移植療法の適応決定など,より広義の “治療法選択”,さらには “診断” “予後予測” の観点からもパネル検査の有用性が高い.本稿では,造血器腫瘍臨床におけるパネル検査の臨床的意義について概説する.

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