Japanese
English
特集 自己免疫性肝疾患――いま何が問題となっているのか?
自己免疫性肝疾患に対する肝移植
Liver transplantation for autoimmune diseases
赤松 延久
1
,
長谷川 潔
1
Nobuhisa AKAMATSU
1
,
Kiyoshi HASEGAWA
1
1東京大学医学部附属病院人工臓器移植外科
キーワード:
肝移植
,
自己免疫性肝炎(AIH)
,
原発性胆汁性胆管炎(PBC)
,
原発性硬化性胆管炎(PSC)
Keyword:
肝移植
,
自己免疫性肝炎(AIH)
,
原発性胆汁性胆管炎(PBC)
,
原発性硬化性胆管炎(PSC)
pp.1076-1079
発行日 2022年12月17日
Published Date 2022/12/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283111076
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自己免疫性肝疾患のなかで,肝移植の適応となるのは,自己免疫性肝炎(AIH),原発性胆汁性胆管炎(PBC),原発性硬化性胆管炎(PSC)の3疾患,およびそれらのオーバーラップした病態である.いずれの疾患においても,内科的治療に抵抗性で病状が進行した状態,すなわち非代償性肝硬変に至った段階で肝移植の適応とされる.脳死肝移植においてはmodel for end-stage liver disease(MELD)スコアやChild-Pughスコア(分類)に基づき,Child-Pugh C以上で登録され,その後はMELDスコアの順に選定・斡旋される.自己免疫性肝疾患に対する肝移植の成績は,PSCを除きおおむね良好である.長期における最大の相違点はグラフト肝に対する原病の再発である.AIH,PBC,PSCいずれの疾患においても移植肝に比較的高頻度に再発することが知られており,特にPSCに関しては原病再発が肝移植後の成績に強く影響することが示唆されている.
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