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特集 自己免疫性肝疾患――いま何が問題となっているのか?
自己免疫性肝疾患患者のQOL
Quality of life in patients with autoimmune liver diseases
高橋 敦史
1
,
大平 弘正
1
Atsushi TAKAHASHI
1
,
Hiromasa OHIRA
1
1福島県立医科大学消化器内科学講座
キーワード:
生活の質(QOL)
,
原発性胆汁性胆管炎(PBC)
,
自己免疫性肝炎(AIH)
,
原発性硬化性胆管炎(PSC)
Keyword:
生活の質(QOL)
,
原発性胆汁性胆管炎(PBC)
,
自己免疫性肝炎(AIH)
,
原発性硬化性胆管炎(PSC)
pp.1068-1071
発行日 2022年12月17日
Published Date 2022/12/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283111068
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自己免疫性肝疾患患者の生活の質(QOL)は低下している.原発性胆汁性胆管炎(PBC)では疲労,皮膚搔痒,乾燥などの症候がQOL低下の要因である.わが国からは,これまでPBCと自己免疫性肝炎(AIH)患者のQOLについて報告がある.PBC患者の疲労には女性,血清アルブミン値,年齢が関連し,皮膚搔痒には血清アルブミン値と罹病期間が関連する.AIH患者のQOL低下に関連する要因は肝硬変,合併疾患の存在,ステロイド治療であり,治療目標を達成している生化学的寛解の患者でもQOLが低下しており罹病期間が関連する.一方,海外の報告では原発性硬化性胆管炎(PSC)のQOL低下には皮膚搔痒や疼痛などの症候,合併疾患,肝硬変,太い胆管病変が関連している.自己免疫性肝疾患患者QOLの実態はまだまだ不明な点が多く,QOL向上への方策もエビデンスが確立されていない.PBCではわが国と欧州諸国の患者QOLの違いも明らかとなっており,わが国独自の患者QOL評価と背景要因の解明が期待される.
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