特集 自己免疫性肝疾患とICI(免疫チェックポイント阻害薬)による肝障害
1.自己免疫性肝疾患(9)肝移植―いつ,だれに,どのように
赤松 延久
1
,
長谷川 潔
1
1東京大学医学部肝胆膵・人工臓器移植外科
キーワード:
肝移植
,
自己免疫性肝炎
,
原発性胆汁性胆管炎
,
原発性硬化性胆管炎
Keyword:
肝移植
,
自己免疫性肝炎
,
原発性胆汁性胆管炎
,
原発性硬化性胆管炎
pp.1296-1302
発行日 2024年8月20日
Published Date 2024/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003201
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自己免疫性肝疾患のなかで,肝移植の適応となるのは,自己免疫性肝炎(AIH),原発性胆汁性胆管炎(PBC),原発性硬化性胆管炎(PSC)の3疾患および,それらのoverlapした病態である.いずれの疾患においても,内科的治療に抵抗性で病状が進行した状態,すなわち非代償性肝硬変に至った段階で肝移植の適応とされる.すなわち,脳死肝移植においてはmodel for end-stage liver disease (MELD)スコアやChild-Pughスコア(分類)に基づき,Child-Pughスコア7点(B)以上で登録され,その後はMELDスコアの順に選定・斡旋される.自己免疫性肝疾患に対する肝移植の成績は,PSCを除き,概ね良好である.長期における最大の相違点は,グラフト肝に対する原病の再発である.AIH,PBC,PSCいずれの疾患においても移植肝に比較的高頻度に再発することが知られており,とくにPSCに関しては,原病再発が肝移植後の成績に強く影響することが示唆されている.
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