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特集 自己免疫性肝疾患――いま何が問題となっているのか?
自己免疫性肝炎・原発性胆汁性胆管炎のオーバーラップ
Autoimmune hepatitis- primary biliary cholangitis overlap syndrome
釘山 有希
1
,
小森 敦正
1,2
Yuki KUGIYAMA
1
,
Atsumasa KOMORI
1,2
1独立行政法人国立病院機構長崎医療センター肝臓内科
2同臨床研究センター
キーワード:
自己免疫性肝炎(AIH)
,
原発性胆汁性胆管炎(PBC)
,
オーバーラップ症候群
Keyword:
自己免疫性肝炎(AIH)
,
原発性胆汁性胆管炎(PBC)
,
オーバーラップ症候群
pp.1061-1064
発行日 2022年12月17日
Published Date 2022/12/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283111061
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自己免疫性肝炎(AIH)と原発性胆汁性胆管炎(PBC)においては同時性あるいは異時性に,それぞれの血清学ならびに病理学的な臨床像を併せ持った病態を呈することがある(オーバーラップ).オーバーラップ症例では,AIHとPBCの単独例に比べて肝関連合併症の発生頻度が高く,予後不良であると報告されてきた.PBCにAIHの臨床像がオーバーラップした症例のなかには,ウルソデオキシコール酸(UDCA)に加え,副腎皮質ステロイド(PSL)などの免疫抑制剤の併用が予後改善のために有効な一群が存在する.免疫抑制剤併用の候補となる症例の適切な拾い上げを行うことが重要であるが,治療効果の判定や予後について検討し,新たな診断基準や診療アルゴリズムなどを臨床指針に反映させることが今後の課題である.本稿では,AIH-PBCオーバーラップ症例の診断,治療,およびわが国におけるAIH-PBCオーバーラップの実態について,文献的考察を含め概説する.
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