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特集 自己免疫性肝疾患――いま何が問題となっているのか?
原発性硬化性胆管炎の発症への腸内細菌の関与
Involvement of intestinal bacteria in the pathogenesis of primary sclerosing cholangitis
中本 伸宏
1
Nobuhiro NAKAMOTO
1
1慶應義塾大学医学部内科学(消化器)
キーワード:
原発性硬化性胆管炎(PSC)
,
腸内細菌
,
バクテリアルトランスロケーション
,
胆汁うっ滞
,
Th17細胞
Keyword:
原発性硬化性胆管炎(PSC)
,
腸内細菌
,
バクテリアルトランスロケーション
,
胆汁うっ滞
,
Th17細胞
pp.1065-1067
発行日 2022年12月17日
Published Date 2022/12/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283111065
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肝臓は門脈や胆管を介して腸管と直接的な交通があり,消化管由来の腸内細菌やその代謝産物に対して適切な免疫応答を誘導することにより,生体の1st barrierとして重要な役割を果たしている.一方で,上記に対する過剰な免疫応答は自己免疫疾患を惹起することから,腸内細菌の質的および量的変化が種々の肝臓疾患の病態に寄与することは容易に想像できる.実際,脂肪性肝炎,アルコール性肝炎,肝硬変,肝細胞癌など種々の肝疾患患者サンプルおよびモデル動物を用いた検討において,病態に寄与する特定の腸内細菌叢が報告されている.本稿において,有効な治療法がない免疫難病のひとつである原発性硬化性胆管炎(PSC)と腸内細菌の関連について,最近の知見と今後の治療応用の可能性を概説する.
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