特集 自己免疫性肝疾患とICI(免疫チェックポイント阻害薬)による肝障害
1.自己免疫性肝疾患(6)アウトカムとしての健康関連QOL
高橋 敦史
1
,
阿部 和道
1
,
大平 弘正
1
1福島県立医科大学医学部消化器内科学講座
キーワード:
健康関連QOL
,
原発性胆汁性胆管炎
,
自己免疫性肝炎
,
治療目標
Keyword:
健康関連QOL
,
原発性胆汁性胆管炎
,
自己免疫性肝炎
,
治療目標
pp.1279-1283
発行日 2024年8月20日
Published Date 2024/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003198
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原発性胆汁性胆管炎(PBC)や自己免疫性肝炎(AIH)の患者では,健常人に比べ健康と直接関連のあるquality of life(健康関連QOL)が低下している.標準治療により肝胆道系酵素が良好にコンロールされてからも,患者の症候や健康関連QOLが改善しないことは珍しくない.最近では,治療の進歩により病態改善だけでなく患者の症候や健康関連QOLへの関心が高まり,とくにPBCにおいては症候を主要評価項目とした治験も進行している.また,AIH患者の健康関連QOLには患者要因,疾病要因,医師要因の関与が指摘され,健康関連QOLの低下要因の把握がその改善には不可欠となる.PBC患者の症候には地域差も報告されており,PBC,AIHともに日本人を対象とした健康関連QOLのエビデンスの集積が望まれる.
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