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第1土曜特集 遺伝性神経・筋疾患――診療と研究の最前線
ミオパチー,筋ジストロフィーの病態・診断・治療法開発
顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー
Facioscapulohumeral muscular dystrophy
平向 洋介
1
Yosuke HIRAMUKI
1
1鳥取大学染色体工学研究センターバイオモデル動物開発部門
キーワード:
顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)
,
DUX4(double homeobox 4)
,
D4Z4
,
エピジェネティクス
Keyword:
顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)
,
DUX4(double homeobox 4)
,
D4Z4
,
エピジェネティクス
pp.978-982
発行日 2022年12月3日
Published Date 2022/12/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28310978
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顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)は常染色体優性遺伝性筋疾患であり,疾患責任遺伝子DUX4は4番染色体サブテロメア領域のリピート配列にコードされている.DUX4の発現は健常骨格筋で抑制されているが,FSHD患者筋で異常に発現する.DUX4の異常発現を引き起こす原因により,FSHDはFSHD1とFSHD2に分けられる.FSHD1ではリピート数の短縮,FSHD2では軽度なリピート数の短縮に加えて,メチル化制御遺伝子の変異が認められる.転写因子であるDUX4は骨格筋細胞で通常発現しない遺伝子の転写活性を介して,アポトーシスを含むさまざまな細胞異常をもたらす.現在,CRISPR/Cas9ゲノム編集技術やアンチセンス核酸などを用いて,DUX4発現を抑制するための治療法の開発が進められている.
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