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第1土曜特集 遺伝性神経・筋疾患――診療と研究の最前線
ミオパチー,筋ジストロフィーの病態・診断・治療法開発
筋強直性ジストロフィー
Myotonic dystrophy
中森 雅之
1
Masayuki NAKAMORI
1
1大阪大学大学院医学系研究科神経内科学
キーワード:
トリプレットリピート
,
スプライシング
,
RNA毒性
,
核酸医薬
,
核酸標的低分子
Keyword:
トリプレットリピート
,
スプライシング
,
RNA毒性
,
核酸医薬
,
核酸標的低分子
pp.971-977
発行日 2022年12月3日
Published Date 2022/12/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28310971
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筋強直性ジストロフィー(DM)は,成人で最も頻度の高い筋ジストロフィーである.筋強直や進行性筋萎縮といった骨格筋症状だけでなく,心臓,消化管,脳,内分泌系,眼など,多臓器の症状を呈する.DMは常染色体優性遺伝形式をとる疾患で,遺伝子上の非翻訳領域にある塩基繰返し配列(リピート)の異常伸長が原因となる.変異遺伝子から転写された異常RNAが,RNA毒性を示してスプライシング制御機構を破綻させ,多様な症状を引き起こす.DMではこれまで有効な根本的治療法はなかったが,異常RNAが病態の中核をなすことが判明し,異常RNAやその起源となるリピートDNAを標的とした治療開発が精力的に進められている.
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