Japanese
English
臨床経験
翼状肩甲骨に対して肩甲骨固定術を行った顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの1例―Leeds-Keio人工靱帯の使用経験
Scapulopexy to the Thorax with Leeds-Keio Artificial Ligament for Scapular Winging in Facioscapulohumeral Muscular Dystrophy: A Case Report
香山 幸造
1
,
謝 典穎
1
,
生田 進一
1
,
清家 重郷
1
,
藤井 正司
1
,
原田 義昭
1
Kohzoh Kohyama
1
1兵庫県立のじぎく療育センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hyogo Prefectural Hospital for Disabled Children “Nojigiku”
キーワード:
筋ジストロフィー
,
musucular dystrophy
,
肩甲骨固定術
,
scapulopexy
,
Leeds-Keio人工靱帯
,
Leeds-Keio artificial ligament
Keyword:
筋ジストロフィー
,
musucular dystrophy
,
肩甲骨固定術
,
scapulopexy
,
Leeds-Keio人工靱帯
,
Leeds-Keio artificial ligament
pp.307-310
発行日 1992年3月25日
Published Date 1992/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900811
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抄録:翼状肩甲骨に対して肩甲骨固定術を行った顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの1例を経験したので報告する.症例は13歳女性,10歳時より両上肢挙上困難が徐々に出現した.入院時の肩関節可動域は,自動で外転左右50゜,屈曲右50°,左75゜であり,両肩外転時に著明な翼状肩甲骨を呈した.上肢挙上機能再建の目的で両肩甲骨固定術を行った.術後,外転右130゜,左105゜,屈曲右85゜,左110゜と改善し,翼状肩甲骨も消失した.肩甲骨の内縁は比較的厚みがあるのに対し,棘下窩は非常に薄いという解剖学的特徴を有する.それ故に従来の手術方法は,主に肩甲骨内縁を肋骨に固定しているに過ぎず十分な固定とは言えない.筆者らは肩甲骨内縁を第4~6肋骨に金属ワイヤーで固定し,さらに厚みの乏しい肩甲下窩を移植骨と第4~6肋骨ではさみこみ,これらを一塊としてLeeds-Keio人工靱帯でたすきがけに締結した結果,より広範囲に強固な固定性が得られた.
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