Japanese
English
臨床経験
肩甲胸郭固定術を行った顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの1例
Scapulothoracic Fusion for Facioscapulohumeral Muscular Dystrophy : A Case Report
梁 昌鳳
1,2
,
木村 真二
1
,
矢野 悟
1
,
橋本 規
1
,
冨岡 正雄
1
,
岩木 稔裕
1
,
香山 幸造
1
Masaho Ryou
1,2
1加西市立加西病院整形外科
2西脇市立西脇病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kasai Municipal Hospital
キーワード:
muscular dystrophy
,
筋ジストロフィー
,
scapulothoracic fusion
,
肩甲胸郭固定術
,
facioscapulo humeral type
,
顔面肩甲上腕型
Keyword:
muscular dystrophy
,
筋ジストロフィー
,
scapulothoracic fusion
,
肩甲胸郭固定術
,
facioscapulo humeral type
,
顔面肩甲上腕型
pp.223-226
発行日 1996年2月25日
Published Date 1996/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908428
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抄録:顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーにおける上肢挙上時の翼状肩甲とそれに伴う上肢挙上障害に対して,肩甲胸郭固定術を行ったので報告する.症例は18歳男性.15歳頃より右上肢挙上困難を自覚した.入院時の右肩関節可動域は屈曲90°外転80°で,上肢挙上時に翼状肩甲が増強した.手術は,肩甲骨内縁と3本の肋骨を金属ワイヤーで締結し,さらに肩甲骨棘下窩を開窓して移植骨をはめ込み,移植骨と胸郭で肩甲骨をはさみ込むというものである.右の術後経過中に同様の病態が出現した左に対しても手術を施行した.左肩の術前可動域は屈曲100°外転80°であった.術後,両側とも骨癒合が得られ,翼状肩甲も消失した.術後の可動域は,屈曲・外転とも右110°左100°である.従来の手術方法では肩甲骨内縁と肋骨を固定するのみだが,筆者らの方法では棘下窩を開窓して骨移植を行うことによって肩甲骨と胸郭の接触面積が拡大するため,骨癒合に有利と考えられる.
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