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第1土曜特集 遺伝性神経・筋疾患――診療と研究の最前線
ミオパチー,筋ジストロフィーの病態・診断・治療法開発
福山型筋ジストロフィーとジストログリカン異常症
Fukuyama muscular dystrophy and dystroglycanopathies
戸田 達史
1
Tatsushi TODA
1
1東京大学大学院医学系研究科神経内科学
キーワード:
福山型筋ジストロフィー
,
ジストログリカン異常症
,
アンチセンス核酸
,
リビトールリン酸
,
FIH(first in human)試験
Keyword:
福山型筋ジストロフィー
,
ジストログリカン異常症
,
アンチセンス核酸
,
リビトールリン酸
,
FIH(first in human)試験
pp.964-970
発行日 2022年12月3日
Published Date 2022/12/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28310964
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福山型筋ジストロフィー(FCMD)は,わが国の小児期筋ジストロフィーではデュシャンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の次に多い常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)疾患で,重度の筋ジストロフィー病変とともに,多小脳回を基本とする脳形成障害が共存する.ほとんどのFCMD患者は,フクチン遺伝子の3′非翻訳領域に “動く遺伝子” である約3kbのSVA(sine-vntr-alu)型レトロトランスポゾンの挿入型変異を認める.レトロトランスポゾンのスプライシング異常により発症し,是正するアンチセンス核酸治療が動物実験で成功している.ジストログリカンの糖鎖にリビトールリン酸が発見され,フクチン,FKRP(fukutin-related protein),ISPD(isoprenoid synthase domain containing)など,ジストログリカン異常症はリビトールリン酸を合成・転移する酵素の欠損である.アンチセンス核酸治療薬は現在医師主導治験中であり,分子標的治療に道がひらかれつつある.
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