Japanese
English
第1土曜特集 遺伝性神経・筋疾患――診療と研究の最前線
ミオパチー,筋ジストロフィーの病態・診断・治療法開発
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療法開発の現状
Current status of development in DMD-therapeutics
大越 一輝
1
,
邦武 克彦
1
,
青木 吉嗣
1
Kazuki OKOSHI
1
,
Katsuhiko KUNITAKE
1
,
Yoshitsugu AOKI
1
1国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所遺伝子疾患治療研究部
キーワード:
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)
,
ジストロフィンタンパク質
,
遺伝子治療
,
抗炎症療法
,
細胞移植
Keyword:
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)
,
ジストロフィンタンパク質
,
遺伝子治療
,
抗炎症療法
,
細胞移植
pp.928-933
発行日 2022年12月3日
Published Date 2022/12/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28310928
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は,X染色体短腕上に存在するDMD遺伝子の変異が原因で発症する進行性の遺伝性筋難病である.ジストロフィンタンパク質は筋形質膜直下に存在し,欠損すると膜が脆弱となり,筋変性や壊死が起こるとされる.臨床では,抗炎症剤の副腎皮質ステロイドが一般的に用いられているが,進行を遅らせるのみで,いまだ決定的な治療法はない.しかし最近では,エクソン・スキップ療法,リードスルー療法,アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治療,細胞移植など,DMD発症の分子機序に基づいた治療法の開発が進んでおり,それらの臨床試験が盛んである.なかでもエクソン・スキップ療法は最も有望な治療法のひとつであり,これまでにビルトラルセンを含む4つのエクソン・スキップ薬が,わが国と米国で承認された.本稿では,日々進歩を遂げるDMDの新規治療戦略,開発の現状,そして課題について概説する.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.