特集 病気の分子細胞生物学
1.筋・神経・精神疾患
デュシェンヌ型筋ジストロフィー
荒畑 喜一
1
Kiichi Arahata
1
1国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第一部
pp.344-346
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901717
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[疾患概略]
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchennemuscular dystrophy;DMD)は最も代表的な進行性筋ジストロフィー(progressive muscular dystrophy;PMD)である1)。PMDでは進行性の筋力低下と筋萎縮を見,骨格筋の変性・壊死・再生と結合組織増生を主病変とする遺伝性筋疾患である。原則として一次性の骨格筋病変が認められる。DMDは遺伝子座がXp21.2にある劣性遺伝の疾患である。したがって,原則として男児のみ発症し,疾患の遺伝は無症状の女性保因者を介する。DMDの発生率と有病率は,それぞれ人口10万人当たり13~39, 3~5とされており,地域的な偏りはない。新生男児3000~3500人に1人の割合で発生し,患者数はPMD全体の約6割を占める。
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