Japanese
English
特集 リハビリテーションに直結する先進医学
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの新規治療
Novel therapies for Duchenne muscular dystrophy.
李 知子
1
,
松尾 雅文
2
Tomoko Lee
1
,
Masafumi Matsuo
2
1神戸大学大学院医学研究科小児科学
2神戸学院大学総合リハビリテーション学部
1Department of pediatrics, Kobe University Graduate School of Medicine
2Department of Medical Rehabilitation, Kobegakuin University
キーワード:
デュシェンヌ型筋ジストロフィー
,
エクソンスキッピング誘導治療
,
リードスルー誘導治療
Keyword:
デュシェンヌ型筋ジストロフィー
,
エクソンスキッピング誘導治療
,
リードスルー誘導治療
pp.415-421
発行日 2014年5月10日
Published Date 2014/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110491
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はじめに
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy;DMD)は,小児に発症する最も重篤な進行性の遺伝性筋疾患である.DMDは,幼児期に筋力低下で発症し,年齢とともに筋萎縮が進行して12歳までに車椅子生活になる.さらに筋萎縮は進行し,20歳代に心不全あるいは呼吸不全を合併し,生命が脅かされる.DMDは伴性劣性遺伝型式をとる進行性の筋萎縮症として100年以上にわたり認知されてきた.しかし,その進行を阻止する有効な治療法はなく,リハビリテーションが唯一の治療法と考えられてきた.
このような状況を変えたのが1986年にDMDの責任遺伝子としてジストロフィン遺伝子がクローニングされたことであり,この発見を契機としてDMDの病態解析が分子レベルで急速に進んだ.そして,DMDの治療法の確立をめざして多くの研究がなされ,現在ではDMDの根本治療を目指した世界的な臨床治験が実施されるようになった.
そこで本稿では,DMDについて治療法全般を紹介するとともに,現在治験が進んでいる2つの治療法について重点的に紹介する.
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