Japanese
English
第1土曜特集 遺伝性神経・筋疾患――診療と研究の最前線
その他の神経・筋疾患の病態・診断・治療法開発
サルコペニアの発症機序
Mechanisms underlying development of sarcopenia
上住 円
1
,
上住 聡芳
1
Madoka IKEMOTO-UEZUMI
1
,
Akiyoshi UEZUMI
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部生体栄養学分野
キーワード:
サルコペニア
,
神経筋接合部(NMJ)
,
間葉系前駆細胞
Keyword:
サルコペニア
,
神経筋接合部(NMJ)
,
間葉系前駆細胞
pp.1019-1023
発行日 2022年12月3日
Published Date 2022/12/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283101019
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
超高齢社会に突入したわが国や先進各国にとって,健康的に老いることはきわめて重要な課題となっている.骨格筋は運動や身体活動を司り,また最大の代謝性臓器としても機能するなど,健康維持に欠くことのできない役割を果たしている.よって,骨格筋の老化(サルコペニア)を防ぐことは健康長寿実現の要といえる.しかし,サルコペニアのメカニズムは不明で,予防・治療法も確立されていない.サルコペニアでは筋力が筋量より先に低下しはじめる.このサルコペニアの実態は,骨格筋を構成する筋線維以外の要素の重要性を示唆し,それは基礎科学的にも立証されている.すなわち,実質細胞である筋線維だけをみていてはサルコペニアの本質を見落とす危険性が高い.本稿では,筋線維以外の構成要素のうち,特に重要と考えられる神経支配と筋間質の間葉系前駆細胞を取り上げ,サルコペニア発症のメカニズムに迫りたい.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.