Japanese
English
第5土曜特集 細胞死のすべて――そのメカニズムと,生命現象・疾患との関わり
疾患と細胞死
自己炎症性疾患と細胞死
Autoinflammatory disease and cell death
有持 秀喜
1
,
安友 康二
1
Hideki ARIMOCHI
1
,
Koji YASUTOMO
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部生体防御医学分野
キーワード:
自己炎症性疾患
,
インフラマソーム
,
ピロトーシス
Keyword:
自己炎症性疾患
,
インフラマソーム
,
ピロトーシス
pp.494-500
発行日 2022年10月29日
Published Date 2022/10/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28305494
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
自己炎症性疾患は,自己抗体の産生や明確な感染がみられない状態で発症する炎症性疾患と定義される.本疾患は,自然免疫系の制御に関わる遺伝子の変異が原因と考えられているが,原因遺伝子が不明な場合や多因子によって発症する疾患も存在すると考えられる.自己炎症性疾患の発症には多様な細胞死が関係すると考えられているが,細胞死の阻害が自己炎症の病態改善につながるのかどうかは疾患モデルによって異なっており,誘導される細胞死が疾患の病態に及ぼす影響は未解明の部分も多い.細胞死の阻害を自己炎症性疾患の治療標的とすることは,エフェクターサイトカインを標的とした手法と比較して汎用性や感染防御能力を維持できるという点で有利であるが,実用化にはさらなる研究が必要である.本稿では,自己炎症性疾患と細胞死に関する最新知見について概説する.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.